1998年1月15〜17日 金沢市民芸術村<ドラマ工房>で上演した「リア王」の様子を紹介!

キャスト

      

リア(ブリテン王)・・・・・・・・・

岡田孝志

オールバニ公(ゴネリルの夫)・・・・

黒瀬晋

コーンウオール(リーガンの夫)・・・

岩田大剛(新人類人猿)

ケント伯爵・・・・・・・・・・・・・

下條世都子(東京演劇アンサンブル)

グロスター伯爵・・・・・・・・・・・

辻 博也(新人類人猿)

エドガー(グロスターの嫡子)・・・・

根本陽子(東京演劇アンサンブル)

エドマンド(グロスターの私生児)・・

表川直己

      ・・・・・・・・・・・・

月原豊(東京演劇アンサンブル)

カラン(廷臣)・・・・・・・・・・・

西永貴文

道化・・・・・・・・・・・・・・・・

柴田貴子

オズワルド(ゴネリルの執事)・・・・

穴田潔

隊長(エドマンドの部下)・・・・・・

中元 敬

紳士(コーディーリアの従者)・・・・

伊藤宏美

使者・・・・・・・・・・・・・・・・

能登麻美子・山下順紀

ゴネリル(リアの長女)・・・・・・・

笹木恵子

リーガン(リアの次女)

橋本陽子

コーディーリア(リアの末娘)

本谷有希子

風の子・・・・・・・・・・・・・・・

中元未玲

風の中を行くものたち・・・・・・・・

青山里美・高作洋美・能登麻美子

山下順紀


スタッフ

演出・・・・・・・・・

岡井直道(東京演劇アンサンブル)

演出協力・・・・・・・・・・・

若山知良(新人類人猿)

照明・・・・・・・・・

宮向隆

制作・・・・・・・・・

市川幸子・西村わかば

舞台監督・・・・・・・

日置達也(ハウステンボス)

 

 アンゲルスの「リア王」には、従来の劇団の枠では収まりきれない多様なスタッフと出演者が関わっている。

● スタッフ

 ○ 演出の岡井直道は、金沢市の出身で金沢大学の「らくだの会」で演劇を始め、現在は、〈東京演劇アンサンブル〉に所属。いわゆる劇場公演に加え、数々の野外演劇やオープンスペースでの作品創りを手がけてきている。近年、文化庁からの派遣でベルリンに滞在し、一昨年の十二月に急逝したハイナー・ミュラーの新作の稽古にも加わっている。九七年夏には、ルーマニア、モルドバの国際演劇祭に参加し、近年大きな注目を集めている東欧の演劇人たちとの親交を作り出してきている。「リア王」は、九六年一二月の「マクベス」につづき、九七年夏の二つの実験的試みを経ての脚色、演出である。さらに、  九八年二月、三月には芸術村主催の“演劇ワークショップ”で泉鏡花作「海神別荘」を指導、演出することになっている。

 ○ 演出協力の若山知良は〈新人類人猿〉主催者。一九八六年の旗揚げ以来続けた本拠地ピースペースでの創造活動は、演劇する者の身体性を問い続ける仕事だった。九二年の「鏡花幻想」から九六年の「KYO―KA」まで泉鏡花の世界にこだわった作品を発表し続けたが、幻想性と肉体の具体性を併せ持つ舞台は、世界的な高い水準を持ったものといえよう。長年の本拠地ピースペースを閉じた一九九七年は「工場」、「SYO-WA」と立て続けに作品を発表して、さらに新しい境地を加えている。今回は、ハイナー・ミュラーの「ハム  レットマシーン」を「リア王」に重ねることで、岡井の演出に協力している。

 〇 舞踏指導の山本萌は、一九七六年東京にて「金沢舞踏館」を主催して土方巽のもとより独立。七七年以降、郷里金沢にて活動を続けている。八八年ロサンゼルス・ニューヨーク公演を皮切りにその後、アジア香港公演を経て九二年にはドイツ公演を行い。九四年にはアメリカ文化センターの推薦でアメリカ・ダンス・フェスティバルに滞在型・国際演出家メンバーとして招待を受けた。九七年は「千一途の痕」を金沢市民芸術村で「千里の聖」を大阪で上演している。さらに、今年から始まった《アンゲルスワークショプ》では、俳優を志す者の中で、舞踏のレッスンを始めた。過去三回の〈アンゲルス〉作品には全て俳優として参加し、その存在感のある演技は高い評価を得てきているが、今回は舞踏の指導で、出演者に肉体の可能性の発掘をしかけている。

 〇 舞台監督の日置達也は長崎県にある〈ハウステンボス〉の総合舞台監督だが 昨年に引き続き金沢に駆けつけてくる。

● 出演者

 ☆ リア王には、「マクベス」でマクダフを好演した岡田孝志が抜擢された。マクベス夫人を演じた森尾舞(現在、俳優座養成所)と同じく、演劇史上もっとも若いリア王となるだろう。

 ☆ 〈東京演劇アンサンブル〉からは、ケント役で下條世都子、エドガー役で根本陽子、エドマンド役で月原豊が出演する。根本と月原は1993年、モスクワ芸術座でA・チェーホフの「かもめ」のニーナとトレープレフを演じて絶賛を浴びた。近年、下條世都子は「銀河鉄道の夜」のジョバンニ役で、根本陽子は「奇蹟の人」のサリバン先生、月原はジミー役で金沢公演を果たしている。今回の稽古期間中は、金沢に滞在して地元のメンバーと共に作品創りを行っている。

 ☆ 若手の出演者も多く、中元未玲は十歳の小学生。「マクベス」での子役に引き続きの出演である。今回は岡井の脚色で生まれた〈風の子〉という不思議なキャラクターを演じる。柴田貴子本谷有希子は高校三年生、高校演劇で活躍するかたわら、それぞれリアの道化と末娘コーディーリアを演じる。

 ☆ 九七年二月から始めた〈アンゲルスワークショプ〉は九月から二期目を迎えたが、金沢舞館踏の山本萌、エスキーヌーバー(舞踊)の喜多尾浩代、新人類人猿(身体行動)の今井淑恵と東京演劇アンサンブル(演技実習)の岡井直道が講師を務め、演劇を志す人たちとレッスンを続けてきている。今回の「リア王」には、このワークショップ参加者の中から幾人かの出演が決まった。

● 演劇人としてのプロもアマチュアも混在し、舞台経験者も新人も混じり合って、稽古を創り上げる。ここには、混乱と不安要因も多いが、それ以上に不思議な熱気が生み出されてきている。

● アンゲルスが創り出す舞台では、俳優の演技や舞台装置といったものから、一切の装飾が剥ぎ取られていく。裸の舞台の上では、そこに立つものの〈生き方〉が、即、問われることになる。

 

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